徐氏(ジョシ)とは?
徐氏(ジョシ)は、呉の孫権の弟・孫翊の妻です。才色兼備で易占いの名手。
占いがあたり、夫・孫翊は部下に殺されてしまう
徐氏の夫・孫翊は孫権の弟で、丹陽郡太守をつとめていましたが、酒好きのうえに強情な性格で、酔っ払ってはムチで部下たちを打っていました。部下の嬀覽たちは、常に孫翊を殺そうと狙っていました。
ある日、丹陽郡に所属する県令たちが丹陽城に集まる機会があったので、孫翊は宴席を設けます。
徐氏はとても美人で、かつ聡明でしたが、易占いの名手でもありました。
この日占ってみると、結果は大凶。
大凶で不吉なので、徐氏は孫翊に、宴会に出席しないようにすすめます。しかし、孫翊は徐氏の助言を聞かずに、そのまま宴会に出ていってしまいました。
宴会は終了して、孫翊は帰ろうと門を出たところで、いきなり斬り殺されてしまいました。
こうして、徐氏の占いは当たってしまい、夫・孫翊は嬀覽たちに殺されてしまいました。
徐氏、夫・孫翊の仇討ち成功
孫翊を殺した嬀覽たちはそのまま勢いに乗って、孫翊の財産や女たちを奪い取りにいきます。そして、嬀覽は美しい徐氏をみて、
「わたしのものとなれ。言うことを聞かないと殺すぞ!」
と脅してます。結婚を強要された徐氏は、
「夫が死んだばかりなので、おそばにいくのは、ためらわれます。
今月末に供養してから、あなたのもとへ行きましょう。」
と、少し時間の猶予がほしいと言われた嬀覽は、これを承知しました。
嬀覽が帰った後、徐氏はひそかに孫翊の腹心だった孫高と傅嬰の二人を屋敷に呼んで、涙ながらに夫の仇討ちをしてほしいといい、仇討ちを計画します。
やがて月末を迎えました。
あでやかなよそおいの美しい徐氏をみて、嬀覽は大喜びし、徐氏から酒を注がれます。
嬀覽が酔ったのを見計らって、徐氏は奥の部屋へ誘いました。
美しい徐氏が誘ってくるため、酔った嬀覽はもう喜んで、奥の部屋へ無警戒で入っていきます。しかし、部屋に入った嬀覽は、あらかじめひそんでいた孫高と傅嬰に討たれました。
仇討ちに見事成功した徐氏は、嬀覽たちの首を夫・孫翊の霊前に祭って報告しました。